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「困ってるひと」を読む [読書]

6月の発売以来、さまざまなメディアで取り上げられた「困ってるひと」(大野更紗著、ポプラ社)をようやく購入、一気に読んだ。いっときAmazonでも在庫なしの状態で、届いた本を見たら、既に10刷となっていた。

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著者の大野さんは2008年、ミャンマー難民の支援や研究に取り組んでいた大学院生の時、原因不明の病気で倒れる。あちこちの病院を回って、ようやく1年後にある大学病院で最終的についた診断名は、「筋膜炎脂肪織炎炎症症候群」という自己免疫疾患系の難病。

発病してから9ヵ月間の入院生活を経て、退院を決行するまでの2年間の壮絶な闘病記である。悲観して死んでしまいたいと思うような状況なのに、文章はユーモアやギャグであふれ、思わずクスっと笑ってしまう。両親の住む福島県の山村の方言も出てくる。福島県人である私は、方言の箇所を懐かしさと切なさが入り混じった気持ちで読んだ。

医療難民となった著者は日本の医療制度と福祉制度(著者はモンスターと呼んでいる)に目を向けざるを得なくなる。自立して生きるために、そのモンスターと向き合い、システムの不備や欠陥をあぶりだしていく。

深刻な病状の中で、客観的に自分を見つめ、置かれている状況をきちんと把握し、対峙していく姿勢がすごい。エピソードを明るく軽く書いているようでいて、そこかしこに著者の知性が感じられる。あっぱれ、福島県産の女子!と感動した。

こんな闘病記は今まで読んだことがない。今年の超お勧めの1冊!シャバに出てからの続編を読んでみたい。ぜひ書いてほしいなあ。
コメント(6) 

コメント 6

くさかべきょうこ


  お金が無いから本を貸してくださいませ

  まどか
by くさかべきょうこ (2011-10-02 22:33) 

clifton

一足遅かったです。既に田舎に送ってしまいました。
困ってる著者のためにも、外食1回やめて本を買ってください。
by clifton (2011-10-03 07:12) 

りえりんまる

あ! わたしこれ、
ポプラ社のwebで連載なさっている時
ずっと読んでました。

すさまじいなぁ…と。

そして、知性がベースにあるウイットって深いなぁと。

最後がね、尻切れトンボみたいに終わってたので
一人暮らしを始められた後からのことや
恋のこと、ほんと気になります。

いや~恋の力は偉大だ~
きっといくつになっても偉大なんだろうな~(遠い目)

そういえばtwitterで
積極的に発言なさってるんですよね、作者の大野さん。

これ以上ないぐらいに頑張っている人なので
頑張ってという言葉って迂闊に使えないなぁと
しみじみ思います。



by りえりんまる (2011-10-03 17:57) 

clifton

りえちゃん、webで読んでいたのですか。

彼女のtwitterとblogを見ましたが、すごい頑張りですよね。
10月8日には郡山でトークとサイン会を開くそうです。
介助つきで日帰りするとか。頑張ってというより、無理しないでと
言いたいです。

それにしても恋の力は薬など足元にも及ばないほど効果絶大ですね。
死ぬことばかり考えていた人が生きたい、病院から出て自由に
なりたいと願うようになるのですから。

by clifton (2011-10-03 18:41) 

pecotyan

昨日、郡山のJUNKUDOで本を購入。
夕方から読み始め、間もなく終わります。

こんな福島っ子がいたなんて・・・。
cliftonさんの言葉通り、あっぱれ!そして
感動!につきます。

8日、郡山のサイン会に行きたいけど、
生憎、仙台に用事があって出かけるので残念!

興味本位ではなく、この福島っ子の人生が少しでも
明るくなるように祈るのみです。
by pecotyan (2011-10-04 10:19) 

clifton

pecotyan さんも読んだと聞いて嬉しいです!

読んでいて、Yさんの娘さんのことを思ってしまいました。
そして、著者のご両親のことも。ご家族の心情までは
書かれていなかったけど、察するに余りありますね。
by clifton (2011-10-04 16:50) 

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