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「大往生したけりゃ医療とかかわるな」を読む [読書]

先月、Mさん夫妻と食事をした際に勧められた本、「大往生したけりゃ医療とかかわるな」(中村仁一著、幻冬舎新書)を読んだ。

著者は老人ホームの医師で、十数年前から「自分の死を考える集い」を主宰している。その経験から、「死ぬのはがんに限る」と確信したという。年寄りのがんは、何の手出しもしなければ痛みもなく、穏やかに死んでいける。自然死を望むなら、がん検診や余計な治療を受けるべきではないと書いてある。

本のタイトルが刺激的なうえ、極論と思える箇所もあるが、まさにその通りと頷ける点が多々あり、参考になった。

○本来、年寄りは、どこか具合の悪いのが正常。年をとればこんなものと諦めることが必要。生きものである以上、老いて死ぬという運命は免れない。年寄りの最後の大事な役割は、できるだけ自然に「死んでみせる」こと。「逝き方」は「生き方」なのだ。

○食べないから死ぬのではない、「死に時」が来たから食べないのだ。当人の身体が欲しがらなくなっているのにもかかわらず、無理に飲ませたり食べさせたりするのは残酷。「できるだけの手を尽くす」が「できる限り苦しめる」とほぼ同義になっている。残される人間が、自分たちの辛さ軽減のため、あるいは自己満足のために死にゆく人間に余計な負担を強い、無用な苦痛を味わわせてはいけない。

○延命治療に関して、「いっさい」ではなく、個別に事前指示をまとめておく。
著者の事前指示は以下の通り。
1.できる限り救急車は呼ばないこと。
2.脳の実質に損傷ありと予想される場合は、開頭手術は辞退すること。
3.原因のいかんを問わず一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと。
4.人工透析はしないこと。
5.経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、末梢静脈輸液は行わないこと。
6.不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外して差し支えないこと。
これだけ具体的に指示しておけば、家族は楽かも。

総務省統計局が「敬老の日」を迎えるに当たって発表したデータによると、65歳以上の高齢者が初の3000万人超。遂に国民の4人に1人が高齢者という時代がやって来た。「自然死」を目指さない限り、医療費が増大し、国の財政を圧迫することは確か。ボケないうちに、自分が希望する治療をしたためておくべきかと考えている。

DSC04891.JPG
名前の通り、いつまで経っても咲き続けている百日紅。
コメント(4) 

コメント 4

あべしょうちゃん

私は4年前ほどに脳梗塞で倒れて、三途の川を見て渡らずにかえってきました。その時に、治療を望まなければ、今頃は、あの世でたのしくくらせてたかな?。あるいは、この世より、もっと苦労をしていたかなと?。今日の敬老の日に考えてみます。
by あべしょうちゃん (2012-09-17 09:14) 

pecotyan

母が入院中なのでとても身にしみます。

私達夫婦も65歳を過ぎましたので、他人こと、母のこと
でなく、自分のこれからを真剣に考えておかなくては
いけないのかと身にしみて感じているところです。

間もなく89歳になる母は背骨を骨折したので固定して
ベットにいるのが治療です。
家で面倒をみるのはとても困難。
今は直ぐヘルパーさんの手助けを受けられるほど甘くありません。

怪我をしたり、病気になった高齢者は自分の意志や判断力で
動くというより、家族や病院に身をゆだねるしかない・・・。

母の為に何が最良かをcliftonさんの記事を参考にして
接していきたいと思います。




by pecotyan (2012-09-17 10:15) 

clifton

あべしょうちゃんさま、コメントありがとうございました。

年金をもらわないうちに、三途の川を渡るのはちょっと早すぎ
ます。戻ってきて正解だったのではないでしょうか。楽しい第二
の人生が待っていたのですから。
by clifton (2012-09-17 10:41) 

clifton

pecotyan さん、コメントありがとうございます。

私も本を読んでから、母のこと、我が身の終わり方について
考えてしまいました。

死は自然のことなのに、忌み嫌い、タブーとなってしまったことが
アンチエイジングや健康食品がもてはやされる原因なのでしょうね。
永遠に生きられないとわかっていても、人はそう簡単に生への執着
を断ち切れないと、母を見ていて思います。

今度帰省する時に本を持って行って、母にも読んでもらい、感想を
聞いてみます。
by clifton (2012-09-17 10:59) 

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