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「生き心地の良い町」を読む [読書]

岡 檀(まゆみ)著「生き心地の良い町」(講談社)を読んだ。先月中旬、朝日新聞の土曜版「フロントランナー」で、この本の著者が紹介された。面白そうな本だなとすぐにアマゾンに注文したが、届いたのがつい3日前。注文が殺到し、在庫がなかったのかもしれない。

タイトルには「この自殺率の低さには理由(わけ)がある」という副題が付いていて、著者の博士論文「日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究」を一般向けに書いたもの。

まず、自殺が多い地域ではなく少ない地域に目をつけて、その特性を探ろうとしたのが面白い。徳島県の旧海部町が老人の自殺が17年間ゼロと知り、そこに行ってフィールドワークを開始する。その後、隣の2つの町、自殺率の高い徳島県内のある町と調査対象を広げ、まるで探偵のように地域性をあぶりだしていく。

そして、著者が現地調査や分析で見つけた5つの自殺予防因子とは、
① いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい。
海部町では、赤い羽根募金が集まりにくいし、老人クラブ加入率が低い。つまり他人と同じ行動をとらねばという足かせがなく、考えの違いを受け入れる。
② 人物本位主義をつらぬく。
職業上の地位、学歴、家柄、財力などではなく、その人の問題解決能力や人柄で評価する。
③ どうせ、自分なんてと考えない。
海部町では、「自己信頼感」を持つ人が多い。
④ 「病」は市に出せ。
昔から海部町にあった格言で、病気や厄介ごとは早めにさらけ出すこと。そうすれば、周囲がいろいろな対処法を教えてくれる。やせ我慢や虚勢を張るのはいけない。
⑤ ゆるやかにつながる。
他人に関心は持つが、監視しない。自殺多発地域の町では、「日常的に生活面で協力する」が44%なのに、海部町では16.5%で、立ち話程度、あいさつ程度が80%以上。ゆるい結びつきが多い。

海部町が近隣の町と違う特性を持つに至ったのは、江戸時代初期に材木の集積地として栄えたことだと著者は言う。あちこちから職人や商人が移住してきて、共存するために多様性を認めざるをえなかった。それで、閉鎖的な村社会とは異なるコミュニティーが出来上がったらしい。

自分の育った田舎と対比して、なるほどと思えることばかりだった。「絆」、「助け合い」が満ち溢れているような地域で生きるのはかえってしんどいなあと思っていたけど、この本を読んで、納得。

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田舎から戻る時に紫蘇の実を摘んできた。

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枝から実を外し、醤油漬けにした。生醤油とかえし(みりん・砂糖・醤油を沸騰寸前まで沸かしたもの)の2種類作る。納豆やキュウリもみに入れると美味しい。
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