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『わすれな草』 [映画]

昨日、渋谷のユーロスペースで映画を2本見た。1本目はドイツのドキュメンタリー映画『わすれな草』。監督自身の両親を撮った作品で、アルツハイマーの母親と介護する父親に密着し、両親の過去を挿入しながら、夫婦の歴史、認知症の介護のあり方などユーモアを交えて描いている。

73歳の母は若い頃は政治運動に身を投じ、結婚しても自立し、お互いを束縛しないことを実践してきた女性。それなのに、今や夫の名前も忘れてしまっている。息子で映画監督であるダービットは父親を手伝うため実家に帰り、母の介護をする。理性的で活動的だった母は動くことを嫌がり、散歩に誘っても応じず、ただぼんやりとしていることが多い。

退職後は数学を趣味にして、のんびり余生を楽しむつもりでいた元大学教授の父は妻の介護に明け暮れ、疲れ果てている。ダービットは実際に母の介護をしてみて、その大変さに音を上げる。ある時、父は施設に入っている96歳の自分の母親(監督の祖母)を訪ねる。頭がしっかりしている祖母は認知症の妻を介護する息子を案じ、無意味な犠牲だから、施設に預けなさいと言う。

父親一人での介護は限界に達していたこともあり、施設に入所させる。しかし、娘は自分も手伝うから家で世話しようと言い出す。そして、リトアニア人の女性を雇って、再び家で看ることにする。

妻の日記を読んで、自分は少しも彼女の苦しみをわかっていなかったと悔いながら、過去を忘れ去ってしまった妻を優しく介護する夫。過去の母ばかりでなく、現在の母をもそのまま肯定しようとする息子と娘。家族が母の介護を通じて、絆を深めていく。

自分の連れ合いが認知症になったら、果たしてこんな風に優しく接することができるだろうかと考えこんでしまった。そしたら、パンフレットに書かれていた監督のメッセージが目に留まった。
「認知症になった母から、父と僕たち子供が学んだことがある。愛情を直接示すこと、ふれあいを持つこと、そして一緒に寄り添うことが、家族にとっていかに大切で価値があるかということだ。」

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田舎の弟の家の近くに咲いていたアケビの花
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