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『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』 [映画]

雨が強くなるとの予報に、図書館の開館と同時に本を借りに行き、ついでにスーパーに寄って、食材を仕入れてきた。生姜の佃煮を煮ながら、本読みで一日を過ごす。

昨日はせっかく新宿に出たので、都内で2館でしか上映されていない『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』をシネマカリテで見た。なんだかすごいタイトルだわと思ったけど、日本人の青年と台湾の日本語専攻の女子大学生がFacebookを通じて知り合い、結婚したという実話に基づいた映画。

東日本大震災のあと、台北に住むリンのFacebookにモギという日本人男性から友達申請が届く。モギは震災時の台湾からの支援を知り、親日的な台湾の人たちに興味を持ったのだった。友達申請を受諾したリンとの間でFacebookでのやりとりが始まり、連休にモギは友達と3人で台湾を訪れ、リンに案内してもらう。

2人の遠距離恋愛がコメディータッチで描かれている。SNSでのチャット内容が字幕のように画面に現れるのも面白い。台北の知っている場所がたくさん出て来て、懐かしかった。

自分は基本的に実際に会ったことのない人からの友達申請は受け付けないし、友達申請もしないが、このカップルのように若い人たちはなんなく国境を越えて友達になれるのか、日本男子もなかなかやるじゃないのと感心した。

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今年もプルメリアが咲きだした。20年位前に昔のテニス仲間から30cmの枝をハワイ土産にいただき、挿し木したものだが、既に私の背丈と同じくらいに成長している。
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『生きとし生けるもの』 [映画]

新宿でしか上映されていない映画を見るために連れ合いと角川シネマ新宿へ。北海道の野生動物を5年にわたって撮影したドキュメンタリー『生きとし生けるもの』を見た。

ナレーションは最初と最後だけで、字幕での場所の説明も一切なし。用いられるのは音楽のみ。8万羽のマガンがねぐら立ちするシーンから始まり、迫力ある映像に度肝を抜かれた。

せっせと冬支度をするエゾナキウサギ、母親に甘えるキタキツネの子供、鳴き交わすタンチョウ、その声に誘われ寄ってくるエゾシカ、遡上するシロサケ、それを捕獲するヒグマなど、北海道の代表的な動物はもちろんのこと、小さな虫からシャチまで、あらゆる生き物が登場する。

広大で美しい北海道の自然や動物の愛らしい表情だけではなく、弱肉強食の世界で生きる生き物たちが命をつなぐために毎日を精いっぱい生きる姿に深く感動する。進化を遂げたはずのヒトの社会のほうが余程おかしいのではと思えてくる。

わずか1館のみの上映とはまことにもったいないと思ったほど、映像が素晴らしく、心にしみいる作品だった。

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お昼は「ライオン」で。
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『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』 [映画]

昨日見た2本目の映画は、『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』。1950年代から50年間、夫が絵コンテ、妻がリサーチを担当し、ハリウッド映画制作の裏方として活躍した夫婦の物語。

本人たちや彼らが関わった監督などへのインタビュー、妻の回想を通して、60年間添い遂げたハロルドとリリアンの夫婦愛や彼らの仕事ぶりを描いたドキュメンタリー。

映画を作る際、脚本を基に各カットの構成を絵で示す「絵コンテ」という仕事があることを初めて知った。ハロルドはその才能に恵まれていたらしく、ヒッチコック監督の『鳥』、ニコルズ監督の『卒業』などハリウッドの名作100以上の作品で絵コンテを作成した実績がある。

一方、リリアンは撮影所内にある「ライブラリー」と呼ばれる一室で映画の内容に必要なリサーチを行った。作品にリアリティを持たせるための考証で、その徹底したリサーチには定評があった。ある作品では裏社会に詳しい人に紹介してもらい、ボリビアにいる麻薬王に会いに行くことも考えたほど(夫の反対で断念)。夫亡きあとも80歳まで仕事を続けた。

二人の仕事はクレジットに名前が出るわけではないが、確実に映画の一角を支えている。50年前に見た『卒業』のあるシーンがハロルドの絵コンテを基にどう撮影されたかがわかって、興味深かった。映画制作の場においては俳優や監督など陽の当たる場所にいる人はごくわずか。圧倒的に多いのは裏で支える人たちだ。その仕組みがよくわかって、映画好きには楽しめる。

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時鮭のシーズンに作る鮭の混ぜ寿し。焼いてほぐし、酢を振りかけておいた鮭、薄切りのキュウリ、酢漬けの生姜を千切りしたのを酢飯と混ぜるだけ。
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『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』 [映画]

雨降りで梅雨寒の一日。今朝の気温は3度ですという釧路からのメールに驚いていたら、なんと北海道では13の地点で氷点下だったらしい。

恵比寿で、連れ合いとドキュメンタリー映画を2本見た。1本目は東京都写真美術館ホールで上映されている『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』。1914年生まれの日本初の女性報道写真家、笹本恒子さんと1915年生まれの新聞記者むのたけじさんに焦点を当てたドキュメンタリー。

対談やそれぞれのインタビューを通して、お二人が生きた時代を検証し、その生き方に迫っている。むのさんは残念ながら昨年8月に亡くなられたが、100歳を超えてなお、気骨のあるお二人に圧倒された。

むのさんは戦争協力の記事を書いていたことを恥じ、終戦の日に新聞社を辞めて、故郷の秋田に帰り、「たいまつ」という週刊新聞を発行し、自由に発言してきた。「戦時は政府がこんなことは書かないようにといちいち新聞社に言ってきたわけでないのよ。新聞社が発行禁止にならないように自ら規制していたのです」というむのさんの言葉にぞっとした。今のメディアの状況がまさしく当時と似ているように思えたのだ。

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2本の映画の合い間に、エビスビール記念館で昼食。
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『家族はつらいよ2』 [映画]

一昨日、品川で見た2本目の映画は『家族はつらいよ2』。前作は平田家の老夫婦の熟年離婚騒動だったが、今回は高齢者の運転問題、独居老人をめぐる無縁社会などを取り上げている。

前作同様、三世代同居の平田家の人たちと別に暮らす2家族が登場し、リアルな会話が繰り広げられる。どこの家族にもありそうな言い争いに思わず笑ってしまう。喧嘩してもお互いを思う気持ちが根底にあって、なんとか分解しないでいるけど、田舎でさえ珍しい三世代同居は現代では一種のファンタジーかも。

生活保護受給者の過半数が65歳以上という統計が載っていた。一人暮らしの人が多いから、当然孤独死も増える。家族の単位が小さくなっているため、今後はますます無縁社会になるのでは。映画を見た後、血縁よりは結縁を大切にせねばと思った。

そう言えば、出演者の息子さんが覚せい剤所持で逮捕され、父親である俳優が息子の不祥事を謝罪したというニュースがあったが、30歳にもなる息子がやったことを親が詫びる必要などあるのだろうか。なんだかおかしい。

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近所のアジサイ
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『光』 [映画]

とうとう梅雨入り。曇天の下、朝9時からテニスをする。帰りにまたまた「天心」で、生ビール付き昼食。痛めた足を引きずりながら頑張っている女将さんを見ると、つい寄ってしまう。

昨日見た1本目の映画は、河瀬直美監督のカンヌ映画祭に出品された『光』。残念ながらパルムドールは逃したが、受賞に値する作品だった。

視覚障害者向けに映画の音声ガイドを作成することになった美佐子は、完成前の原稿を実際に視覚障害者たちに聞いてもらう「モニター会」で、弱視のカメラマンの雅哉に出会う。彼は美佐子のガイドに容赦ない意見を浴びせる。無愛想な雅哉の態度にいらつく美佐子だったが、病気で視力を失いつつある彼の葛藤を見つめるうちに美佐子自身の中で何かが変わっていく。

河瀬監督の前作『あん』に続いて、主演の永瀬正敏が難しい役を好演。美佐子役の水崎綾女という女優は初めて見たが、素晴らしかった。その他の俳優陣も芸達者な人ばかり。

視覚障害者が映画を楽しめるように、登場人物の動作や周囲の情景を言葉で伝えるという映画の音声ガイドのことを初めて知った。安易に主観を入れてはいけないし、描写する言葉がなんでもいいわけではない。見えない人がその映画を音声だけで最大限に楽しむためには言葉が最も重要になる。目で映画を見ている私はセリフを深く自分の心に落とし込むこともせず、想像力が足りないかもと反省した。

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「天心」でジャージャー麺を食べる。
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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 [映画]

雨でテニスを諦め、映画へ。恵比寿ガーデンシネマで、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を見た。アカデミー主演男優賞と脚本賞を受賞した作品。

ボストンで便利屋として働くリーはある日、兄が危篤だという連絡を受け、故郷の町、マンチェスター・バイ・ザ・シーに駆け付ける。しかし、兄は1時間前に息を引き取っていた。弁護士から、兄の遺言で残された16歳の甥の後見人となるよう伝えられ、驚く。かつてこの町に住んでいたリーには忘れたくとも忘れられない悲惨な出来事があり、住むには辛すぎる場所だったのだ。

回想シーンが所々に織り込まれ、だれにも癒すことができないリーの心の痛みが徐々に明らかになっていく。少ないセリフにもかかわらず、過去のシーンや海辺の風景がリーの心象風景を映し出す。人は容易に喪失から立ち直れないし、自分を許すこともできない。心を閉ざして生きるリーの孤独と深い悲しみが観客の心に突き刺さるような作品。

機中で見た『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』を加え、アカデミー賞関連の3つの作品の中では、この『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が一番よかった。脚本が素晴らしいし、リー役のケイシー・アレックの抑えた演技が秀逸。

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目黒から恵比寿ガーデンプレイスに歩いて行く途中に見たタチアオイとアジサイ。
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『草原の河』 [映画]

しばらくぶりの岩波ホールでの映画鑑賞。チベットの家族を描いた『草原の河』を見る。チベット人監督の作品が日本の劇場で公開されたのは初めてとか。

チベットの草原で牧畜を営む一家は父母と幼い娘の3人家族。母はお腹に子どもを宿している。やがて赤ちゃんが生まれてくると知った娘に嫉妬心が芽生え、赤ちゃん返りをする。父は4年前のある出来事から、僧籍に入っている自分の父親を許せないでいる。

ありふれた家族間の確執や葛藤を雄大で美しいチベットの自然を背景に、少ないセリフで淡々と描いている。娘の視点で物語が進行するが、娘役の少女がなんとも愛らしく、演技も素人とは思えぬほど。物語としては、少々退屈な面もあるけど、少女の存在感と映像の素晴らしさがそれを補っている。

10年前に行ったチベットの風景が目の前によみがえり、懐かしかった。その1年後の2008年にチベット騒乱が起きた。映画の中では政治的なことは全く描かれていないが、その後ますます中国政府の締め付けが厳しくなっているのだろうなと思いながら、見ていた。

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帰りに一つ手前の駅で降りて、ピザ屋で遅めの昼食。
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『台北ストーリー』 [映画]

ユーロスペースで見た2本目の映画は、日本初公開の『台北ストーリー』。10年前に亡くなった台湾の楊徳昌(エドワード・ヤン)監督の1985年の作品。『非情城市』の侯孝賢監督が制作と共同脚本に携わり、主演までしている。

1980年代の台北が舞台。主人公のアリョンは少年野球時代、将来を嘱望されたが大成せず、家業を継いで生地屋をやっている。幼馴染の恋人アジンは不動産会社のキャリアウーマン。しかし、会社が買収されて失業してしまう。それをきっかけに二人の関係もきしみだし、思いもよらぬ結末へと向かっていく。

台湾が経済的に発展し始めた時代、変わりゆく台北を背景に過去に囚われた男と未来を見据える女を淡々と描き、やるせなく哀愁に満ちた作品になっている。頻繁に登場するタバコを吸うシーン、富士フィルムなどの日本企業のネオン、夜の街を疾走するバイクなどの映像が効果的に使われていて、印象に残る。

台湾で公開時は4日間で打ち切りになったらしいが、30年前には斬新すぎて良さが理解されなかったのかも。パンフレットの「台湾ニューシネマの幻の傑作」というコピーがあながち大げさではない、心に残るいい映画だった。

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田舎の畑で見たいちごの花
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『わすれな草』 [映画]

昨日、渋谷のユーロスペースで映画を2本見た。1本目はドイツのドキュメンタリー映画『わすれな草』。監督自身の両親を撮った作品で、アルツハイマーの母親と介護する父親に密着し、両親の過去を挿入しながら、夫婦の歴史、認知症の介護のあり方などユーモアを交えて描いている。

73歳の母は若い頃は政治運動に身を投じ、結婚しても自立し、お互いを束縛しないことを実践してきた女性。それなのに、今や夫の名前も忘れてしまっている。息子で映画監督であるダービットは父親を手伝うため実家に帰り、母の介護をする。理性的で活動的だった母は動くことを嫌がり、散歩に誘っても応じず、ただぼんやりとしていることが多い。

退職後は数学を趣味にして、のんびり余生を楽しむつもりでいた元大学教授の父は妻の介護に明け暮れ、疲れ果てている。ダービットは実際に母の介護をしてみて、その大変さに音を上げる。ある時、父は施設に入っている96歳の自分の母親(監督の祖母)を訪ねる。頭がしっかりしている祖母は認知症の妻を介護する息子を案じ、無意味な犠牲だから、施設に預けなさいと言う。

父親一人での介護は限界に達していたこともあり、施設に入所させる。しかし、娘は自分も手伝うから家で世話しようと言い出す。そして、リトアニア人の女性を雇って、再び家で看ることにする。

妻の日記を読んで、自分は少しも彼女の苦しみをわかっていなかったと悔いながら、過去を忘れ去ってしまった妻を優しく介護する夫。過去の母ばかりでなく、現在の母をもそのまま肯定しようとする息子と娘。家族が母の介護を通じて、絆を深めていく。

自分の連れ合いが認知症になったら、果たしてこんな風に優しく接することができるだろうかと考えこんでしまった。そしたら、パンフレットに書かれていた監督のメッセージが目に留まった。
「認知症になった母から、父と僕たち子供が学んだことがある。愛情を直接示すこと、ふれあいを持つこと、そして一緒に寄り添うことが、家族にとっていかに大切で価値があるかということだ。」

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田舎の弟の家の近くに咲いていたアケビの花
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『タレンタイム〜優しい歌』 [映画]

昨日は気温が26度まで上がり、暖かいを通り越して、暑かった。テニスに行ったけれど、2セットでダウン。

一昨日、渋谷のイメージフォーラムで見た『タレンタイム〜優しい歌』は、8年前に急逝したマレーシアの女性監督の作品。8年の時を経て、日本での劇場初公開となった。

ある高校で、タレンタイム(芸能コンクール)が開かれることになる。ピアノで弾き語りをする女生徒のムルー、二胡を演奏するカーホウ、ギターと歌が上手なハフィズなど決勝に残った生徒たちはその日に向けて練習に励む。

学校からムルーの送迎を仰せつかったマヘシュはインド系で聴覚障害者。彼はムルーに恋をするがムルーもマヘシュに魅かれる。カーホウは中華系で、父親から常に一番の成績を期待されている。しかし、転校してきたマレー系のハフィズにトップの座を奪われてしまう。ハフィズには母親しかいないのに、彼女は脳腫瘍の末期で入院中。

マレーシアは他民族国家で宗教も言語もさまざま。映画の中の生徒たちは家庭環境も違えば、宗教も違う。それでも若さゆえの純粋な心で、壁を乗り越えていこうとする。

初めて見たマレーシア映画は優しさに満ち溢れていて、とても温かい気持ちになれる。音楽もいいし、上質な青春ドラマだった。

フェイスブック友に2人のマレーシア人がいるが、彼女たちは中華系。よって、FBに記事を投稿する際には公用語の英語を使う時もあれば、中国語の場合もある。多分、マレー語も使えるのだと思う。

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一人の夕食は15分もあれば出来上がる。
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『私は、ダニエル・ブレイク』 [映画]

昨日見た1本目の映画は、イギリス映画『私は、ダニエル・ブレイク』。引退を決めていたケン・ローチ監督がどうしても伝えなければという思いに駆られて制作した作品。カンヌでパルムドール(最高賞)を受賞している。

長年大工として働いてきた59歳のダニエル・ブレイクは心臓の病で医師から仕事をすることを止められる。妻に先立たれ、子供もいない彼は国から給付を受けようとするが、煩雑な手続きと融通のきかない役人たちによって、たらい回しにされる。

福祉事務所で出会った2人の子供を抱えるシングルマザー、ケイティも困窮していた。ダニエルはケイティ一家と交流し、助けながら、収入のない自分の状況をなんとかしようとする。しかし、病身で働けないというのに、給付金を受給するには求職活動をして、その証拠を提出するようにと役所から理不尽なことを言われる。

何十年も自分は税金を払って来たんだとダニエルが役人に言う場面がある。真面目にコツコツと仕事をしてきて、自信と誇りのあるダニエルは給付金のためとはいえ、簡単に役人たちの指示に従わない。それが彼を追い詰めていくことになる。

「ゆりかごから墓場まで」と言われたイギリスの福祉政策は遠い過去のことで、ダニエルやケイティのようにセーフティーネットからこぼれ落ちる人たちがたくさんいる。日本でも生活保護を申請せずに餓死した例があるが、世界中が格差社会となり、弱者は見捨てられつつある。

ケン・ローチ監督の作品は数本見ているが、社会の底辺に生きる人々を描き、その人たちに心を寄せ、声高ではなく社会を批判している作品が多い。この作品からは、ますます生きにくく、不寛容な社会になっているのを見過ごせなかった監督の思いが伝わってきた。深刻な社会問題を扱いながらも、ユーモアがあり、胸を打つ言葉もある。今年見た中では、一番の傑作かな。

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弟の愛犬
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『海は燃えている~イタリア最南端の小さな村~』 [映画]

雨降りの一日。夕方鍼灸院に予約を取り、その前に映画を見ることにした。渋谷のル・シネマで、ドキュメンタリー映画『海は燃えている~イタリア最南端の小さな村』を見る。
2016年のベルリン映画祭で金熊賞を受賞した作品。

北アフリカに最も近いイタリア最南端の小さな島、ランペドゥーサ島が舞台。カメラは、そこに暮らす人々の平凡な日常と島の沖合での難民船の救助活動を映し出す。ナレーションは一切なしで、淡々と双方の映像が続く。そして、島民と難民は交わることはない。なぜなら、難民は救助されるとすぐに難民センターに送られるから。

アフリカからの難民がヨーロッパを目指して、何十年も前から命がけでやって来る。しかし、途中で命を落とす人も多い。検死を担当する島の医師がもう慣れただろうと言われるけど、決して慣れることなどできないとつぶやく。

島の人々のつつましくも平和な暮らしと難民の悲劇的な現実を詩的な映像で対比させながら、観客の心にずしんと重いものを残すような作品だった。

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東急本店地下の食品売り場にある新橋亭で塩ラーメンの昼食。

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『くちづけ』&『僕らのワンダフルデイズ』 [映画]

徒歩で目黒に映画を見に行く。2本立て上映で、シニア割引900円というお得な映画館、目黒シネマで、俳優竹中直人特集をやっている。2本とも見ていない作品だったので、今日は映画館で静かに過ごすことにした。

2013年製作の『くちづけ』は、知的障害者が暮らすグループホームが舞台。漫画家の父親は、知的障害の娘を伴い、ホームに住み込みで働くことになる。妻が亡くなって以来、ずっと一人で娘の面倒を見てきた父と娘にとっては、お互いがなくてはならない存在だった。そのことがやがては悲劇を引き起こすことになる。

笑える場面も泣ける場面もあるが、テーマは重くてつらい。実際にあった事件を題材にした舞台劇を映画化した作品で、父親役の竹中直人はじめ俳優陣がいずれも好演。

2009年製作の『僕らのワンダフルデイズ』は、53歳の主人公が末期がんで余命半年と知り、高校時代の仲間とバンドを再結成し、コンテスト出場を目指すというお話。目新しいストーリーではないが、面白おかしくて笑えるし、音楽もいいし、かなり楽しめた。

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帰りに目黒の「とんき」で、久しぶりにトンカツを味わう。開店時間4時を5分過ぎて行ったら、既に1階も2階も満席で、待ち席もほぼ埋まっていたのにはびっくり。休日の混み様は尋常でない。
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『日本と再生 光と風のギガワット作戦』 [映画]

昨日渋谷で見た2本目の映画は、『日本と再生 光と風のギガワット作戦』。反原発訴訟の弁護士である河合弘之さんが監督したドキュメンタリー作品。

私は見ていないが、監督は原発関連のドキュメンタリーを既に2本撮っている。今回は脱原発をやるなら、それに代わるエネルギーはどうするのかという疑問に答えるべく、環境学者と共にドイツ、デンマーク、アメリカ、中国、アイスランドなどの国々を取材。また、日本国内で自然エネルギーを利用して発電している人たちを訪ねる。

その結果、福島原発の事故後、世界はいつのまにか自然エネルギーにシフトしていたのである。2022年までに脱原発をすると政策決定したドイツはもちろんのこと、驚いたことに原発大国だと思っていた中国までもが、風力や太陽光を利用した自然エネルギーに力を入れている。あれだけのひどい事故を起こした日本が再稼働を選択するなんて、世界の笑い者という状況だった。

太陽光パネルや風力発電設備のコストがどんどん安くなっているという。自然エネルギーは高くつく、天気まかせで安定しないなどの誤解を取材により、わかりやすく論破していく。日本が年間25兆円払って石油を買っていると知り、びっくり。自然エネルギーの設備は1年で建つが、原発は10年かかる。そして、いったん事故があれば、膨大な費用と年月をかけてもクリーンにはならない。でも国は原子力ムラの利権を守るために原発推進を止めない。

あらゆることにおいて、変わることに抵抗を示す日本が世界のエネルギー革命に後れをとってしまっているのは明らか。自治体やさまざまな団体が自然エネルギー事業に取り組み始めているが、国の政策として推進していく必要がある。そのためには私たちが原発にNOを突き付けねば。

今、私たちが見るべき映画の1本。東京でも上映館は1館のみだが、そのうちにDVDが出るはず。ぜひ多くの人に見てもらいたい。

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左:チュプカムイ(太陽の神)   右:トートカムイ(湖沼の神)
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『百日告別』 [映画]

渋谷のユーロスペースで、映画を2本見る。1本目は台湾映画『百日告別』。

多重事故で、妊娠中の奥さんを亡くしたユーウェイと婚約者を亡くしたシンミンは合同葬儀場で出会う。突然愛する人を失い、現実を受け入れることができず、何も感じられなくなった2人。やがて、ユーウェイはピアノ教師だった妻の生徒を訪ね、前もって支払われていた授業料を返して歩く。シンミンは新婚旅行で行くはずだった沖縄を1人で旅する。初七日、三十五日、四十九日、百日と法要のたびに顔を合わせるが、特別に親しくなるわけではない。2人の日々が交互に平行して描かれる。

大切な人を亡くした2人が何度かの法要を経て、絶望感、悲しみから少しずつ立ち直っていくさまを淡々と描いた作品。四十九日は死者がこちらからあちらの世界に移る日で、百日は残された人々が泣くのを止める日という説明があった。法要は残された人たちが気持ちの整理をするために必要な儀式なのだ。それを執り行うことで、自分にとってかけがえのない人の死を少しずつ受け入れていくことができる。

まだ若い奥さんを病気で亡くした監督自身の体験を基にして作られた映画だそうだが、仏教は結構合理的な宗教なのかもしれないなと思った。

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アイヌ刺繍。左:コシラッキコロ(守り神とする)右:ミナハウ(神々に微笑み)
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『たかが世界の終わり』 [映画]

札幌で見た2本目の映画は、『たかが世界の終わり』。カンヌ映画祭でグランプリを取った作品。

12年ぶりに故郷に帰って来たルイは、ゲイで34歳の劇作家。自分の死期が近いことを家族に伝えるための帰郷だった。出迎えたのは母、兄夫婦、そして妹。再会はどこかぎこちなく、緊張感が漂う。やがて食卓は言い争いの場となり、デザートの時に話そうと思っていたルイはその機会を失い、何も告げずに去っていくことになる。

原作は戯曲ということもあり、ほぼ5人の会話劇。なにゆえに彼が故郷を出たのか、どんな病気なのかなどの説明は一切なされない。顔のアップの連続で、セリフが次々に発せられる。兄の苛立ちが尋常でなく、田舎から脱出して成功した弟への妬みなのか、それとも帰郷の理由を感じ取っておびえているのか、よくわからない。

家族だからこそ傷つけ合うし、兄弟間の嫉妬や恨みもありがちなこと。でも、かみ合わない会話が続いたあげくに追い出されるように家を出るルイの心情を思うと、暗い気持ちになる。物語としての面白さはないし、全編に漂うのは孤独感というか寂寥感。疲れる映画だった。

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アイヌの刺繍。左:イレスカムイ(火の神)  右:ススカムイ(柳の神)
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『人生フルーツ』 [映画]

見たいと思っていた映画2本が札幌のシアターキノで上映されていると知り、3日、連れ合いが弟たちとスキーに行っている間に見に行った。

1本目は『人生フルーツ』。名古屋近郊のニュータウン内に住む90歳と87歳の老夫婦の日常を追ったドキュメンタリー。

建築家のご主人は300坪の土地をニュータウン内に購入し、シンプルな家を自分で建て、そこに雑木林を作ることにする。夫婦で木や果樹を植え、落ち葉を利用して畑を肥えさせ、野菜を作るという自給自足的な暮らしをそこで40年間続けてきた。

奥さんの料理もすべて手作りで心のこもったもの。丁寧な暮らしぶりが見ていて気持ちが良い。そして夫婦の間で交わされる言葉が美しいのに感動する。自然と共生しながら、毎日を淡々と穏やかに過ごすお二人の笑顔が素敵。観客もしみじみとした幸福感に浸ることができる素晴らしい映画だった。

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札幌の地下通路に飾られているアイヌ刺繍。
左:カムイチカップ(神鳥)右:パイカルエク(春が来た)
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『ママ、ごはんまだ?』 [映画]

またまた春の嵐が通り過ぎた。ちょうど出勤時に当たった人たちは大変だっただろうな。

どうしても見たい映画が角川シネマ新宿でしか上映されていないため、今日は新宿まで遠征。時間的には大した差がないのだが、映画は品川・恵比寿・銀座界隈で見るのがほとんど。新宿はよほどの用事がない限り、行くことがない。

『ママ、ごはんまだ?』は、歌手の一青窈の姉である、一青妙の原作を基にした映画で、お二人は本名で登場している。家族で住んだ家が取り壊されることになった時、妙は一つの木箱を見つける。その中には古い手紙や写真と共に母親の書いたノートが入っていた。

妙の父は台湾人で、母は日本人。幼い頃は台湾で暮らし、その後日本に帰国。まもなく父が亡くなり、2人の娘を育てていた母も彼女が大学生の時に亡くなってしまう。ノートに記された台湾料理のレシピを読みながら、いつも明るく振舞い、美味しい料理を作っていた母の姿、そして台湾や日本での家族との日々を回想していく。料理を通して紡がれる、ある家族の物語で、見終わった後に心が和むような作品。

原作は読んでいないが、妙さんの台南について書いた本は読んだことがある。内容は台南のガイドを兼ねたエッセイで、台南への愛にあふれ、食べ物の話もたくさん載っていた。映画の中でも美味しそうな台湾料理がたびたび登場する。それを目にしただけで、また台湾に行かなきゃという気分になってしまった。

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昨秋、弟の所に滞在中漬けた野沢菜を今月初めに行った時に持ち帰った。それを胡麻油で炒めたり、豚肉と炒めたりして食べている。
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『サバイバルファミリー』 [映画]

春二番が吹き荒れるとの予報で、テニスは諦め映画へ。品川で『サバイバルファミリー』を見る。

ある朝、東京のマンションに住む鈴木家の面々が起きだしてくると電気がつかないばかりか、目覚まし時計も鳴らないし、スマホも使えない状況に気付く。お父さんは会社へ、子供たちは学校へ行くが、どこも停電状態。テレビ・ラジオ・スマホすべてつながらないため、情報は一切なし。そのうえ、水道とガスの供給もストップしてしまうし、車も動かない。食べ物もなくなってくる。

飛行機に乗って、鹿児島のおじいちゃんの所に行こうと一家4人は自転車で羽田を目指すが、飛行機も飛んでいなかった。大阪は停電していないらしいという噂を信じて、今度は自転車で大阪を目指す。ところが、ようやく大阪にたどり着いてみれば、そこも同じ状況だった。

前代未聞の危機に直面した普通のありふれた家族がさまざまなアクシデントに見舞われながらもなんとか生き抜いていこうと奮闘するさまをコメディータッチで描いている。極限状態の中で、バラバラだった家族が助け合うようになり、スマホばかりいじっていた子供たちもたくましくなっていく。

監督のオリジナル脚本だそうだが、面白かった。一家族を追ったドキュメンタリーのような作品で、笑えるのだが、見ていて力が入ってしまう。自分だったら、どうするだろうかと考えながら見ていた。モノにあふれた便利な世の中も電気などが全く使えなくなったら、江戸時代と大して変わらぬ暮らしになるのだと思い至って、ぞっとした。

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明日のそば会用に田舎の直売所で購入してもらった野菜が届いた。
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