So-net無料ブログ作成
検索選択

「困ってるひと」を読む [読書]

6月の発売以来、さまざまなメディアで取り上げられた「困ってるひと」(大野更紗著、ポプラ社)をようやく購入、一気に読んだ。いっときAmazonでも在庫なしの状態で、届いた本を見たら、既に10刷となっていた。

DSC08502.JPG


著者の大野さんは2008年、ミャンマー難民の支援や研究に取り組んでいた大学院生の時、原因不明の病気で倒れる。あちこちの病院を回って、ようやく1年後にある大学病院で最終的についた診断名は、「筋膜炎脂肪織炎炎症症候群」という自己免疫疾患系の難病。

発病してから9ヵ月間の入院生活を経て、退院を決行するまでの2年間の壮絶な闘病記である。悲観して死んでしまいたいと思うような状況なのに、文章はユーモアやギャグであふれ、思わずクスっと笑ってしまう。両親の住む福島県の山村の方言も出てくる。福島県人である私は、方言の箇所を懐かしさと切なさが入り混じった気持ちで読んだ。

医療難民となった著者は日本の医療制度と福祉制度(著者はモンスターと呼んでいる)に目を向けざるを得なくなる。自立して生きるために、そのモンスターと向き合い、システムの不備や欠陥をあぶりだしていく。

深刻な病状の中で、客観的に自分を見つめ、置かれている状況をきちんと把握し、対峙していく姿勢がすごい。エピソードを明るく軽く書いているようでいて、そこかしこに著者の知性が感じられる。あっぱれ、福島県産の女子!と感動した。

こんな闘病記は今まで読んだことがない。今年の超お勧めの1冊!シャバに出てからの続編を読んでみたい。ぜひ書いてほしいなあ。
コメント(6) 

「よろずのことに気をつけよ」を読む [読書]

どんよりとした曇り空の一日。テニスをしようと思えばできたけど、なんとなく出かける気になれず、家で読書三昧。

今年の江戸川乱歩賞受賞作、川瀬七緒著「よろずのことに気をつけよ」が講談社から刊行されたので、Amazonに注文したら、すぐに届いた。連れ合いの友人Mさんから、著者が白河出身の女性と聞いて以来、発売を心待ちにしていた本だ。

祖父を殺された若い女性が呪術の研究者の助けを借りて、犯人像に迫るミステリー。あまり馴染みのない呪術がテーマなので、おどろおどろしい内容かと思ったら、どんどん引き込まれて一気に読んでしまった。文章はほとんど会話で成り立っていて、読みやすい。

著者は故郷白河で物語の着想を得たそうだが、後半、白河近辺が舞台になっていた。地名は1字ずつ変えられていたが、地元の人にはすぐに分かる場所だ。賞を受けた小説の中に取り上げられて、地元では喜んでいると思う。

10.JPG11.JPG
帰京する前日、白河近郊の桃農家に桃を買いに行った。昨年は賑わっていたのに、今年はたまたまなのか私たちだけ。例年進物用にあちこちに発送していた地元の人が今年は利用しないとも聞いた。福島産を送っても、もらった人は喜ばないのではないかと心配してのことらしい。
コメント(0) 

「風邪の効用」を読む [読書]

「風邪の効用」(野口晴哉著 ちくま文庫)は、帰省中に読んだ本の1冊。経済誌に紹介されていた本で、タイトルに惹かれて取り寄せた。半世紀前に書かれたもので、著者は野口整体の創始者。

風邪を引くと体が整う。風邪をうまく経過させると、そのあとは体に弾力性が戻り、風邪を引く前よりも健康になると著者は言う。健康な体には弾力があるが、体や頭を使いすぎて疲れていると弾力がなくなり、病気に罹りやすくなる。風邪は、鈍くなった体を調整し、弾力を回復させる効用があるというのだ。

そのためには熱があるからといって、すぐに解熱剤を飲んだりしてはいけない。発熱には体全体の歪みを矯正する効果がある。薬で無理に治すと、本来備わっている自然治癒力を損ない、体の調子を乱す。風邪の症状を部分的にだけ見て治療するのではなく、体全体を見なければならない。

これを読んで、二十数年前の自分の苦い経験を思い出した。大人になってからは、風邪で医者に行ったことはなかったのだが、翌日どうしても出なければならない会議があるときに高熱を出した。近所の町医者に行って事情を話したら、これを飲めば、一発で熱が下がりますよと薬を出してくれた。医者が言うとおり、服用後確かに平熱に戻ったので、やっぱり薬の効用はすごいと感心したものだ。

ところが、10日後くらいから体調がおかしくなった。ひどい下痢でないが、軟便で1日に何度もトイレに駆け込むようになり、そのうちに血便まで出るようになった。体重もあっという間に3kgくらい落ちてしまい、大腸がんではと心配になり、胃腸科医院に行き、検査してもらった。結果はがんではなく、風邪の時の薬の副作用が原因だった。それまで、風邪で薬など飲んだことがなかったから、余計に副作用がひどかったのかもしれない。この一件で薬の恐ろしさを痛感した。

本に書いてあった風邪を全うする要領
1.体を弛めること。
2.冷やさぬこと。
  汗の体を風に当てない。熱が出ても冷やさない。
3.温めること。
  後頭部を40分間、1本の熱いタオルを取り替えながら温める。喉の風邪の場合は4-6分間の足湯。
4.発汗は引っ込めないこと。
  乾いた温かいタオルでよく拭き、冷やして汗を引っ込めないよう注意する。
5.高熱のあとの平温以下の時期に安静にすること。 
  平温に復したら、すぐ起きること。
6.水分を多めにとること。

DSC00269.JPG
夕飯はピザとガスパッチョ風冷製スープ。ピザはパプリカ・ズッキーニ・ツナ。ガスパッチョはミキサーもジューサーもないので、小さく切ったトマト、すりおろしたキュウリとにんにく、レモン汁、オリーブオイル、塩・胡椒を混ぜて冷やした。
コメント(2) 

「失われし食と日本人の尊厳」を読む [読書]

フレンチシェフのSさんから勧められた「失われし食と日本人の尊厳」(弓田亨著:イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ企画)を帰省中に読んだ。

パティシェである著者、弓田氏はフランス菓子店のオーナーであり、菓子と料理の教室も開いている。長年食にかかわる仕事をしてきた著者は、近年の日本の食がいかに危機的状況にあるかということを身をもって感じている。

農薬・化学肥料漬けの農業、食材の変化、誤った料理法、マスコミの功罪、食と病気の関連など、日本の食を取り巻く現状をさまざまな角度から論じ、世間に知られた個人や組織をも実名で取り上げ、忌憚なく批判している。

著者と同世代で、育った県も同じ私は本当にそうだとうなづく箇所が多かった。野菜を例にとっても、昔とは全く品種が違うので、味も違う。病気に強くて見映えがよい品種にどんどん変わっていくから、味は二の次になり、野菜そのものの味は薄くなる一方。栄養価だって低くなっているはずと著者は言う。食に興味のある人にとっては、一読に値する本だ。

洋菓子はレストランで食べる以外、自分で買うことはないが、この著者に興味が沸いたので、折をみて代官山の店を一度訪ねてみようと思う。

ソラマメ.JPG
ソラマメが旬。野菜はなるべく旬のときに食べるようにしているので、好きなソラマメもこの時期しか買わない。
コメント(4) 

「誇り高き老女たちの食卓」を読む [読書]

今日もテニス。明日はやらないつもりなので、頑張って5ゲームもやってしまった。疲れたけど、心地よい。夕飯も美味しくいただけた。

「誇り高き老女たちの食卓」(本間千枝子著 NTT出版)を読み終えた。この著者の本を読むのは、二十数年前に出版された「アメリカの食卓」以来だ。「アメリカの食卓」は、著者が留学時代から結婚後も住んだアメリカでの思い出を食と結びつけて綴ったエッセイ。食いしん坊である著者の食への好奇心と知識が豊かな表現力で語られていて、とても面白い本だと思った記憶がある。

「誇り高き老女たちの食卓」では、後期高齢者になったという著者がお祖母さんの故郷高知を訪ねて出会った食べ物の話、長年同居した水戸出身のご主人のお母さんとお祖母さんとの暮らしの中での食べ物にまつわるエピソード、食道楽だったお父さんとの食の思い出、留学時にお世話になって以来親しい付き合いが続いているアメリカ人家族のことなどが書かれている。

食を通して、さまざまな人たちの人生が垣間見られて興味深い。印象に残ったのは、評論家の石垣綾子さんとのエピソード。著者はあるとき、晩年ケアホームに入っていた石垣さんを90歳のお祝いにと野辺山の別荘に誘う。そこで、ブルーチーズや山羊のチーズ、ヘリングのマリネ、タイムとバジルを散らして焼いた羊などを食べながら、二人でバレンタインの17年ものをボトル半分以上空けた。

そのとき、石垣さんは「ケアホームの食事は文句のつけようがないほど行き届いているの。味もいいのよ。でもほとんどが日本料理でね・・・・私はこういうものが欲しかったのよ!おいしいなあ!」と言ったらしい。

食が自分の手にあるうちは人間幸せなのかも。いくら美味しいものでも、出されるものを食べるしかない境遇は辛いに違いない。年を取っても和食が好きとは限らないもの。

wakegi.JPGmituba.JPG
今日は献立が浮かばなくて、買物しながら決めた。八百屋に寄ったら、山形産のわけぎがあったので酢味噌和えに、三つ葉が美味しそうだったので卵とじに、そして魚屋で一通り見てからブリの照り焼きにすることにした。一応、和風だったが、酒は白ワイン。
コメント(2) 

「ルポ 貧困大陸アメリカII」を読む [読書]

昼過ぎから雨との予報に朝2人でテニスクラブに向かう。30分ほど2人で打っていたら、Sさんが見えた。でも4人目が来ないので、さらに30分3人で練習を続ける。やがてHさんが登場。ようやくダブルスができた。1セット終わった頃にメンバーが集まりだしたが、雨が落ちてきてしまった。皆さん、いつもより早めに来たらしいのに、全くプレーできずで本当にお気の毒だった。

「ルポ 貧困大陸アメリカII」(堤未果著、岩波新書)を読んだ。「ルポ 貧困大陸アメリカ」の第二弾で、リーマンショック以後、オバマ就任後のアメリカ社会をレポートしている。

第1章 公教育が借金地獄に変わる、第2章 崩壊する社会保障が高齢者と若者を襲う、第3章 医療改革vs.医産複合体、第4章 刑務所という名の巨大市場、と4つのテーマから成っている。

最も興味深かったのは教育問題。アメリカの大学生の76%が通う公立大学の学費はこの10年で59%も上昇。中流家庭にも教育費が重くのしかかるようなった結果、奨学金やローンなどで学費を借りる学生が多くなった。借入金の平均は2万ドル(200万円)。学資ローンは延滞が利かず、ひと月でも延滞すれば利子が膨れ上がる仕組みで、一切の免除が適用されない。借り手が自己破産した場合の借金残高免責もない。ローンを返すだけの収入を得られる仕事につけなければ、即座に債務不履行になる。この不況下で、債務不履行に陥る人は増えていて、そうなった場合は債権回収業者からの執拗な取り立てを受ける羽目になる。不良債権化した学資ローンは全米で約500万件、400億ドル。

大学を出ないといい仕事につけないからと学資ローンで卒業しても仕事がない。収入がなかったら返済できないから、借金が膨らむばかり。あっという間に貧困層に転落して、そこから這い上がれないことになる。一方で、ローン会社は5年間で経常利益が3倍になっているとか。サブプライムローン同様、学資ローンも貧困ビジネスだ。

オバマが掲げる医療改革もすっかり骨抜きにされているようだ。医療保険業界や製薬業界が多額のお金をロビー活動や献金に費やしているわけだから、国民皆保険など簡単には実現しそうにない。世界一高い医療費と保険業界の医療への介入で、病気になったら破産する人も出てくる。そして、お金のない人はまともな治療も受けられない。

まさに弱肉強食の世界。巨大企業があらゆる手を使って、弱者から搾り取るという構図が見えてくる。読んでいて暗い気持ちになった。

山吹.JPG
近所の庭に咲く山吹。一重の方が山吹らしくて好き。
コメント(0) 

「ローマで語る」を読む [読書]

桜が満開の日曜だというのに、晴れていたのは朝のうちだけ。いつ雨が落ちてきてもおかしくないほど雲がたれこめて、陰鬱な日だった。お昼を食べてからテニスに行くつもりだったが、気が変わって一日中家に引きこもりで、本を読んだりして過ごす。

先月、近所の本屋から取り寄せた数冊の本の中から「ローマで語る」を引っ張り出して読んだ。塩野七生さんと息子さんであるアントニオさんが映画について語り合ったものだ。月刊「PLAYBOY」に32回にわたって連載されたものらしい。監督、作品、俳優についての論評のほか、アメリカとイタリアでの映画作りの違いや映画製作とマフィアなどの話も載っている。

アメリカとイタリアで映画の仕事をしたことがあるアントニオさんが言うには、アメリカ人は映画製作をビジネスだと思っているが、イタリア人はアートと信じている。そして撮影以前にかける期間がアメリカは2年、イタリアは2ヵ月。ビジネスというからには組織をきっちり作り、各自の担当する分野を明確にしてからスタートする。片やアート派は出たとこ勝負で、結果的に時間と金の浪費につながる。でも、イタリアはカメラマンや衣装は優れているとか。

両親から、書物と映画は同格という感じで育てられ、たくさんの映画を見ているという塩野さんと、同じく映画に親しんで育ったというアントニオさんとの対話は、全く親子を感じさせず、豊富な知識と洞察力に基づいた映画論で面白かった。

DSC07724.JPG
お隣から焼き立てのパンをいただいた。外側がパリパリで中はしっとりで美味。
コメント(0) 

「納棺夫日記」を読む [読書]

本屋に注文していた「納棺夫日記」が先週届いた。帯紙に、祝アカデミー賞受賞 15年前、本木雅弘さんが、この本と出会い、読んで、感動し、映画「おくりびと」が誕生しました、と書いてあった。映画がアカデミー賞を受賞したあとに増刷したらしい。

著者の青木新門さんはかつて詩や小説を書いていた方。経営していた店が倒産して、生活のために新聞の求人広告をみて、葬祭会社に就職する。そして、納棺の仕事をするうちにさまざまな死に出会い、死とはなにかを深く考えるようなる。

映画で描かれたエピソードもいくつか出てくるが、この本の大部分を占めるのは納棺夫という職業を通して得た著者の死生観や宗教観についてだ。特に親鸞や宮沢賢治の思想を多く引用して、解説している。少し、難しい箇所もあるが、詩人だけあって、文章も素晴らしい。

「毎日毎日、死者ばかり見ていると、死者は静かで美しく見えてくる。それに反して、死を恐れ、恐る恐る覗き込む生者たちの醜悪さばかりが気になるようになってきた」という文に出会ってどきりとした。

この本のほうが映画よりもずっと心の奥深くに響くものがあった。著者が原作者として映画に名を連ねるのを断ったそうだが、本を読んでみて納得。著者の深い思索の過程を映画ではとても表現できそうにないもの。ゆえに、映画を見たあとに本を読むのが正解。本を読んでから映画を見たら、底が浅いなあと感じてがっかりするのがオチだ。

マンサクの花.JPG
先週行った、吉野梅郷のお寺の境内で見たマンサクの花。早春の花の中では一番好き。
コメント(4) 

「目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇」を読む [読書]

著者は、38年間、イタリア語通訳を生業としてきた田丸公美子さん。シモネッタというのは、著者の友人であった故・ロシア語通訳の米原万里さんが名付けたとかで、下ネタの女王を意味しているらしい。また、題名の「目からハム」は、イタリアでは「目からうろこ」を「目からハムが落ちた」と言うので、そこから取ったそうだ。

著者が仕事で出会ったさまざまな人々や出来事を通して感じたイタリア人と日本人の違い、言葉と文化の関係などが、ユーモア溢れる筆致で書かれている。抱腹絶倒の裏話がたくさん出てきて、読んでいて思わず吹き出してしまったのが一度ならずあった。

著者によると、イタリア語は「話し言葉」で日本語は「書き言葉」だそうだ。イタリア語は「話し言葉」が豊かで、ユーモアに溢れた表現が多い。それに比べて、日本語は喜怒哀楽を口に出して表現する「話し言葉」が決定的に不足しているとか。

心の内をむやみやたらと態度に出してはいけないという文化の下では、話し言葉があまり必要とされないのは確か。日本では平安の昔から、和歌でやりとりしていたくらいだもの、口で表現するのは重要視されなかったのだろう。

米原万里さんの本も大好きだったが、田丸さんのこの本もすごく面白かった。3作目らしいので、前作もぜひ読んでみたい。

母の手編み.JPG
母が先月、昔の毛糸を使って編んだもの。我が家へ2枚、姪に1枚渡された。
コメント(2) 

「奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録」を読む [読書]

2006年12月に放映されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場した弘前のリンゴ農家、木村さんについて書かれたノンフィクション。8年にわたる苦闘の末、無農薬栽培に成功するまでの記録である。私はテレビは見ていないが、放映後、番組開始以来の大反響を呼んだらしい。

私の実家の近くにも小規模のリンゴ園があるが、無農薬でリンゴを育てるのは不可能だとは知らなかった。木村さんは、その不可能なことに挑み、極貧状態に陥りながらも諦めずに、8年間もリンゴの木と格闘する。絶望して、自殺まで考えるが、死ぬために分け入った岩木山の山中で、びっしりと実をつけたドングリの木を見て、ひらめく。雑草の中で、しっかりと根を張っているドングリ。この土がドングリの木を元気にさせているのではないかと。

そして、リンゴ畑の土を自然に戻し、やっと何年かぶりにリンゴの木が花をつける。 このくだりは読んでいて、胸が熱くなる。初めはリンゴとはいえないような小粒の実だったが、やがて、“奇跡のリンゴ”がたわわに実るようになる。

畑に余分な栄養分が存在していないから虫が少ない。肥料は化学肥料であれ、有機肥料であれ、リンゴの木に余分な栄養を与え、害虫を集める一つの原因になる。肥料を与えれば、簡単に大きくなるが、リンゴの木からすれば、容易に栄養が得られるために、地中に深く根を張り巡らす必要がない、というのを読んで、人間にも当てはまるのではと思った。

木村さんのリンゴは、切って置いていても、色が変わらないし、腐らないらしい。良い香りを保ったまま、ドライフルーツのようになっていくとか。「一口頬張った瞬間に自分の全身の細胞が喜んでいるような感じがした」と茂木健一郎さんがあとがきに書いているが、一度でいいから木村さんのリンゴを食べてみたい!

久しぶりに感動する本に出会えた。それに、木村さんの笑顔が素敵!

花梨ジャム.JPG

テニス仲間のIさんから花梨のジャムをいただいた。とてもいい香りがする。パンにつけるにはもったいないので、小さなスプーンで少しずつ舐めることにする。
コメント(4) 

「ルポ 貧困大国アメリカ」を読む [読書]

午後は暑くなりそうなので、朝9時からテニスをする。ほかに女性がいなかったため、男性の中に入ってやったら、2ゲームでヘトヘト。早々に引き揚げて、五反田駅のみどりの窓口へ。来月、また12,000円のチケットを使って弘前方面に行くので、指定券を取った。

「貧困大国アメリカ」堤 未果著(岩波新書)は、あるブログでお勧めの一冊と紹介されていたので、買ってみた。

サブプライムローン、貧困と肥満の関係、医療問題、若者たちの現状、民営化された戦争などについて、具体例を挙げ、その背景について分析している。市場原理の導入や民営化によって、中間層が消滅し、いかに格差が拡大したかが分かりやすく書かれている。

衝撃的な実例がたくさん出てくるが、医療に関しては、マイケル・ムーア監督の「シッコ」を見ていたので、それほど驚かなかった。が、貧しい高校生たちや教育ローンを返済できなくなった若者たちが巧妙なやり方で軍にリクルートされて、イラクに送られ、戦死したり、帰還後に心を病んでホームレスになったりする話を読んで、暗澹たる気持ちになった。

でも、これを対岸の火事と片付けられないのが今の日本だと著者は警鐘を鳴らす。確かに、ここ何年かの医療や福祉の費用削減を目的とした制度の改革や企業が生き延びるためという大義名分のもとに労働者が正社員や派遣などに分断されることにより、ますます格差が広がっている。日本もアメリカが辿った道を歩き始めているのは確かのようだ。

この本は、アメリカの轍を踏まないために自分たちはどうすればよいのかと、熟考を促してくれる貴重な1冊だ。そういう意味でも若い人たちにぜひ読んでほしいと思う。

朝ご飯.JPG
今朝の朝ご飯は野菜のみ。
コメント(2) 

「写真がもっと好きになる」を読む [読書]

昨夜の雷雨は、帰宅途中の方には気の毒だったが、木々には待望の雨となったにちがいない。今朝はマンション前の桜並木も生き返ったように元気に見えた。よかった、街路樹もこれで一息つけるだろう。

久しぶりに、自分で買った本を読む。菅原一剛著「写真がもっと好きになる」は、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された記事に加筆し、1冊にまとめたものだ。

項目ごとに著者の写真が挿入され、それを例題として、フィルムカメラからデジタルカメラ、さらには携帯カメラについてまでも書かれている。被写体への向き合い方、撮り方などを著者のエピソードを交えて解説したうえで、さまざま提案をしているが、写真が趣味の人にも私のような素人にも役立ちそうだ。

著者がいかに写真を愛しているかがその文章から伝わってきて、読んだら題名通りに写真がもっと好きになりそうな本である。

「寂しかったときには、その寂しさが。楽しかったときには、その楽しさが。あたたかいなぁと感じたときには、そのあたたかさが写っている写真が何よりも“いい写真”だと、ぼくは思います。その“思い”は、嬉しいことに誰にでも伝わるものです。思い描いたイメージで撮るのも大事ですが、まずは、そのときの気持ちにできるだけ正直に写真を撮ってみてください。」というのを読んで、なるほどと思ったが、簡単なようでこれが一番難しいことかも。

蜂と紫の花.JPG
名前知らずの紫の花の蜜を吸う蜂。さぞかし美味しいんだろうなと思いながら、撮った。
コメント(0) 

「水の舳先」を読む [読書]

予報が当たって、今日は朝から雨。雨なら映画にと昨日から決めていたのに、出かけようとする頃に雨足が強くなり、結局止めてしまった。部屋から一歩も出ず、パソコンで映画を見たり、図書館で借りた本を読んだりして過ごす。

玄侑宗久著「水の舳先」を読んだ。芥川賞受賞作「中陰の花」の前に書かれ、芥川賞の候補にもなった作品。

重い病気の患者が集まる地方の湯治場が舞台。そこで書道教室を開いている地元の僧侶が末期癌で闘病中のクリスチャンの女性との係わり合いの中で、死や看取りに向き合うという内容。テーマは宗教的だが、観念的で読みにくい作品ではない。むしろ宗教が身近に感じられる。著者自身が現役の僧侶なので、「中陰の花」同様、仏教を通しての宗教観が書かれていて、興味深かった。

先だって、高校の仲間が集まった際、今度は三春の温泉に行こうという話になったが、その温泉がこの小説の舞台だ。かの有名な玉川温泉と同じ効用があるとかで、県外からも癌を患った人がたくさん来るらしい。著者の玄侑さんはその町の由緒あるお寺の副住職である。

切干大根の煮物.JPG

母が作った切干大根を煮た。千切りと輪切りの2種類の切干があるが、
今日は輪切りのほうを使って、干しシイタケ・昆布・人参と煮る。

切干大根もどし.JPG

水で戻した状態の切干大根。輪切りの切干のほうが味がしみて美味しい。


nice!(0)  コメント(2) 

「おひとりさまの老後」を読む [読書]

冷たい北風が吹き、久々に冬らしい日曜日。さすがにテニスは諦め、一日中家にこもって読書三昧で過ごした。

Tさんに借りた、上野千鶴子著「おひとりさまの老後」を読む。7月に第1刷発行で2ヵ月後の9月には第11刷が発行されているから、かなり売れている本だ。フェミニズムの旗手、上野千鶴子女史も今年で還暦。老後の問題について書くには申し分のない年齢になったというわけか。

ずっとシングル、途中からシングルの違いはあっても、人は最終的に一人で生きることになる。そこで、おひとりさまの老後の住まい、付き合い、お金、介護、終わり方などについて具体的な事例やデータを使って、さまざまな提案をしている。そうだそうだと頷くことばかり。歯切れの良い、分かりやすい文章なので、一気に読んでしまった。

“賢い消費者になろう”という項では、よい商品は賢い消費者が育てる、という真理は、介護というサービス商品にもあてはまる。そのためには介護される側も「よいケアを受ける方法」について研究しなければならないとして、「介護される側の心得10カ条」というのが書いてあった。

①自分のココロとカラダの感覚に忠実にかつ敏感になる。
②自分にできることと、できないことの境界をわきまえる。
③不必要ながまんや遠慮はしない。
④なにがキモチよくて、なにがキモチ悪いかをはっきりことばで伝える。
⑤相手が受けいれやすい言い方を選ぶ。
⑥喜びを表現し、相手をほめる。
⑦なれなれしいことばづかいや、子ども扱いを拒否する。
⑧介護してくれる相手に、過剰な期待や依存をしない。
⑨報酬は正規の料金で決済し、チップやモノをあげない。
⑩ユーモアと感謝を忘れない。

女性は親や夫を介護する立場になったときのことばかり考えているけれど、長生きすればするほど、介護される側になる可能性も高いわけで、この心得は必要だなあと思った。


nice!(0)  コメント(5) 
メッセージを送る